大道欣孝さんとともに入居したローラ。屋上ドッグランで走り回るのが大好き=2024年4月5日、大阪市、太田匡彦撮影
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 高齢者のなかには、自分の年齢を考えてペットの飼育を諦めている人も少なくありません。高齢者がペットと同居することができ、双方の「終のすみか」になることを目指す高齢者施設を取材しました。

高齢者とペット⑥ 太田匡彦記者が考える

 大阪城公園のほど近く、JR玉造駅から歩いて4分の場所に「ペピイ・ハッピープレイス TAMATSUKURI」はある。「ペット共生型有料老人ホーム」をうたい、9階建ての施設には4月時点で、20組21人の入居者が計26匹の犬猫とともに暮らす。

 大道欣孝(よしたか)さん(81)は、2歳のボストンテリア、ローラとともに昨年5月、夫婦で入居した。もともと夫婦そろって大の犬好きだった。だが年齢を考え、先代の犬が死んで10年ほどは、犬のいない生活を送っていた。「寂しい、どこか物足りない暮らしだった」と振り返る。

 一昨年、新聞の折り込み広告でこの施設の存在を知った。ペットと同居でき、しかも獣医師や愛玩動物看護師らが飼育のサポートをしてくれるという。「こういう施設があるのか。それならまた、犬を飼えるかもしれない」。すぐ行動に移した。ペット同伴で入れるほかの老人施設もいくつか見学。なかでもペピイは、ペットのためのサービスや施設が充実していることがわかった。入居を決断し、ローラを迎えた。

「清水の舞台から飛び降りるつもりで」

 問題は入居にかかる費用だっ…

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